親族からお金を借りる場合に注意すべきことはありますか?
親から借りる場合には、原則として贈与税はかかりません。しかし親からお金をもらう場合には、贈与税がかかります。
親からお金を借りた場合であっても親子間であるがゆえに、貸し借りの内容や返済義務が曖昧になることがあります。
このような場合には、「貸した・借りた」の関係ではなく「あげた・受け取った」の関係であるとみなされてしまい、贈与税の課税対象となります。
贈与とみなされないためのポイントとして、次の4つのポイントがあります。
① 借用書や金銭消費貸借契約書を作成する
② 金利をつける
③ 返済期間を検討する
④ 契約書通りに返済する
なお、契約書には、金額、返済期間、金利、返済方法を記載します。印紙の貼付も忘れないでください。
また、返済期間は親の年齢を考えて決定しましょう。80歳の父親と35年返済の契約をすると、完済時の父の年齢が115歳となってしまい、常識的な貸し借りであるとみなされない可能性があります。
さらに現金で直接返済するよりは、金融機関を通じて返済する方が履歴を確認することができるので金融機関を利用して返済することが望ましいです。
ところで収入がない専業主婦等の方には貯金等がなければ返済能力があるとは言えません。
当初から返済が難しいと思われる場合には、住宅取得等資金の贈与税の特例、相続時精算課税制度等を利用することが望ましいと思われます。
日常生活に起こりうる税金の怖い落とし穴です。後に慌てないためにも贈与の性質をよく知り、4つのポイントを抑えた金銭消費貸借契約書を作成し、万全な準備・対策をしましょう。