不動産を売却して現金で遺産分けすることはできますか?

 1つの財産を複数人で分割する場合、その不動産が不要な財産であれば売却して現金で分割するという方法も考えられます。
 この方法を換価分割(共同で相続した財産を分割せず未分割の状態で換価し、その対価である金銭を共同相続人間で分割する方法)といいます。

 換価分割がおこなわれた場合の相続税の課税価格の計算は、次のとおりです。

 換価分割は換金するという非常に明快な方法ですが、不動産を売却することに伴い譲渡所得税や売却手数料等の支払いが必要となります。
なお、譲渡所得税の計算において次のような租税特別措置法の特例が適用できる場合があります。
 ・居住用財産を譲渡した場合の特別控除(3,000万円)(措法35)
 ・居住用財産譲渡の特例(軽減税率)(措法31条の3)
 ・相続税取得費加算の特例(措法39)

 換価分割は分割方法としてだけではなく、納税資金の準備としても有効な分割方法です。
しかし、譲渡所得税や売却手数料が生じることを忘れないようにしましょう。