印紙税

Q.贈与契約書に印紙は必要ですか?

A.贈与契約書に関する印紙は下記のように取り扱われます。

・現金や株式など不動産以外のものを贈与した場合 … 貼る必要はありません。

・不動産を贈与した場合 … 200円の印紙を貼り、消印をする必要があります。

 相続・相続税対策として生前贈与を検討される方は多いと思います。そして実際に贈与をする場合において、その贈与契約を書面として残すために贈与契約書を作成することが一般的です。

 ところで、一定の契約書等には印紙を貼る必要がありますが、この贈与契約書にも印紙は必要なのでしょうか。

「そもそも印紙税とは何でしょうか?」

 印紙税は、様々な取引の中で作成される文書のうち一定のもの(課税文書)を作成した場合に課される税金です。

 原則として作成した文書に印紙税に相当する額の収入印紙を貼りこれに消印をする方法で納付するという納付方法が、採用されております。

「課税文書とはどのような文書でしょうか?」

 課税文書とは次の3つのすべてに該当する文書をいいます。

 ①課税物件表に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること

 ②当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること

 ③非課税文書でないこと

 具体的には、契約書・領収証などがあります。

 課税文書に該当するかどうかは、その文書に記載されている内容に基づいて判断することとなります。また、その判断はその名称や文言により形式的におこなうのではなく、その文書に記載されている文言等の実質的な意味を汲み取っておこなう必要があります。

「贈与契約書に不動産の評価額を記載しました。その評価額は記載金額として扱われるのでしょうか?」

 贈与契約書における評価額は記載金額に該当しません。贈与は無償契約であるため、その評価額は不動産の譲渡対価としての金額ではないため記載金額として扱われません。

「収入印紙を貼るのを忘れてしまいました。贈与契約は無効となるのでしょうか?」

 収入印紙を貼らなかった場合には印紙税法上の違反にはなりますが、その契約書の効力そのものには影響を与えません。つまり贈与契約は有効となります。

「収入印紙を貼らなかった場合には、税務上どのように扱われるのでしょうか?」

 印紙不納付や印紙不消印の場合には、過怠税というペナルティがつきます。

 過怠税の金額は次のとおりです。

 ・不納付の場合 … その税額の3倍(不納付額+その2倍相当額)

 ・不消印の場合 … その税額相当額

 なお、課税文書の作成者が過怠税の決定があるべきことを予知せず不納付の申出をした場合(「印紙税不納付事実申出書」を所轄税務署長に提出いたします。)の過怠税は、不納付額の1.1倍に軽減されます。

「収入印紙を多く貼ってしまった場合には、どのようにすればよいでしょうか?」

 印紙税の不要な文書に収入印紙を貼ってしまったり、印紙税として定められた金額以上の収入印紙を貼ってしまったりした場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を所轄税務署長に提出し、その還付を受けることができます。

 普段はあまり気に留めることのない、つい見落としがちな印紙税ですが、課税文書を作成した場合には忘れないように印紙を貼付し消印をしましょう。

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