相続税の税務調査で聞かれることは何ですか?

(1) 税務調査の流れ

税務調査は8月~12月頃に実際されるケースが多く、調査日数は通常1日程度であることが一般的です。また調査は被相続人の自宅でおこなわれることが多く、帳簿書類の確認が中心となる法人税や所得税の調査と違い、相続税の税務調査は相続財産の確認が中心となります。

調査当日は午前10時頃から約2名の国税調査官が来訪され、税務署での予備調査(国税調査権に基づく金融機関等に対する取引照会等の事前調査)を基に質問や現物確認をされます。

(2) 税務調査の確認事項

相続税の税務調査で確認される事項として、次のものがあります。

確認事項ポイント
被相続人の経歴・生活状況・趣味等収入や退職金・財産の確認、転居先で金融機関の預金口座や不動産取引の有無の確認、お金の使い方の確認
相続人の職歴収入や財産の確認
被相続人の生活費の金額預金引出金額の妥当性の確認
通院・入院状況医療費等の確認
預貯金の管理者お金の動きを管理し使用していた者の確認
被相続人の通帳の履歴内容親族への贈与等の有無の確認
多額に引き出された預金の使途残額(手許現金)の有無の確認
親族名義の預貯金の内容名義預金に該当するか否かの確認
印鑑空押しにより使用目的等の確認
香典帳金融機関、取引先等の確認
手帳・貸金庫等メモや現場確認により申告漏れ相続財産の有無の確認
相続財産の現状分割協議(又は遺言)に則した名義変更がされているかの確認

(3) 税務調査の事前通知

税務調査が実施される場合には、原則として事前通知が行われます。事前通知は、国税職員が相当の時間的余裕(通常2~3週間前)をおいて原則として電話により行われます。その通知内容は次のとおりです。

  • 実地調査を行う旨
  • 調査開始日時
  • 調査開始場所
  • 調査の目的
  • 調査の対象となる税目
  • 調査の対象となる期間
  • 調査の相手方である納税義務者(相続人)の氏名及び住所又は居所
  • 調査を行う当該職員の氏名及び所属官署 等