よくある相続税のご質問

Q. どの様に相続税対策を始めたらよいでしょうか。

まず相続税試算を行い、次に節税対策の検討・納税資金の準備をされることをお勧め致します。

財産を把握し納税額を確認する(相続税試算をする)ことがスタートとなります。

そしてその結果を基に節税の観点から生前贈与などを考えたり、相続税を低くすることができる特例の適用が可能か否かを検討したりします。併せて相続税は原則として相続開始から10か月以内に納税をする必要がありますので、納税資金の準備を検討する必要もあります。

Q. 不動産に関して円満に相続を迎えるために何に気をつければ良いでしょうか。

共有名義の不動産があれば、生前に解消しておくことをお勧め致します。

不動産などの相続財産を親族間で所有することを考えられる方が多いですが、実務上はあまり望ましくありません。1つの不動産を複数人で所有すると、個人での売却や個人での処分が難しくなるためです(その様な場合には共有者全員の意思統一が必要となります。)。

したがいまして安易に共有名義とせず、可能な限り単独所有にするように事前に話合っておくことが必要だと思われます。

Q. 相続開始後に振り込まれた高額療養費、未支給年金(国民年金)は、相続税の課税財産となるのでしょうか。

高額療養費は、未収金として相続税の課税対象となります。これは、あくまでも治療を受けた健康保険の被保険者に対して支払うものであり、被相続人の財産であるためです。

一方、未支給年金(国民年金)請求権については、相続税の課税対象とはなりません。あくまでも、未支給年金の請求権は遺族が自己の権利として請求するものであるからです。したがいまして、未支給年金は支給を受けた遺族の一時所得となります。

Q. 一時金型金銭信託とは、どの様なものでしょうか。

一時金型金銭信託は、相続発生後に信託財産を予め指定した親族の方に一括で受け取らせるようにするものです。

相続開始後には、葬儀費用等で多くの資金が必要となります。しかし被相続人の金融機関口座は原則として凍結されてしまい自由に引き出すことはできません。そこでこの金銭信託契約を予め締結しておくことで、相続開始後早期に信託財産を受け取ることができますので、速やかに諸手続きを済ませていくことが可能となります。

なお相続税の計算上、金銭信託は被相続人の財産として申告する必要がありますので申告漏れとならないようにご配慮下さい。

Q. 墓地・墓石は生前に購入すると相続税対策となるのでしょうか。

墓地や墓石・仏壇・仏具は原則として相続税はかかりません。したがって生前の墓地・墓石の購入は相続税対策となります。

ただし、借入されて購入した場合には当債務につき債務控除の適用はありませんので注意が必要です。したがって、相続税対策として墓地・墓石を購入される場合には、現金購入されるか生前に借入を完済しておく必要があります。